薬膳から見た「おせち料理」の効能

一年の健康を願って食べるおせち料理は、薬膳的にも健康になる料理です。

代表的なおせち料理の食材の効能についてご紹介します。

おせち料理に使われる食材の多くは「腎」に働きかけるという共通点があります。薬膳では、冬は「腎」の機能が盛んになる季節であり、腎のエネルギーを養う事が大切です。また、「腎」を補うことは生命力を保つ、現代で言うアンチエイジングにつながると言われます。また、腎陽を補う食材を選ぶ事は、老化防止に一役買うことになります。

■ 黒豆・・作州地方では、美味しい黒豆が沢山作られています。

効能・・・去風・利水・滋陰・補血・活血・解毒

帰経・・・脾・腎        *帰経・・・その食材が主に作用する臓腑のこと

 黒は薬膳では、元気の源である腎の色とされ、黒豆はおせち料理には欠かせない食材です。それは、健康を意味する言葉「まめまめしく」にちなんで食べられるようになった黒豆です。薬膳の効能としては、体内の余分なものを排出する働きや、むくみに伴う関節の痛みを緩和すると考えられています。また、体内の潤いや血液を補いながら巡りを良くし、消化器・腎機能に特に働きかけます。

黒豆の黒色はアントシアニンという天然色素で、眼精疲労の回復や視力の向上に効果があると言われています。

薬膳では、「以蔵補臓」と言う言葉があります、それは臓器の一部と良く似た形の食材や、動物の同じ部位を食べることで効果があると考えられています。黒豆は腎臓の形と似ている事から、腎機能に良いと言われています。他にも、胡桃は脳の形と似ている事から、頭の働きが良くなる効果があるとも言われています。


■ 海老  効能・・・補腎・壮陽    帰経・・・腎・肝・脾・肺

海老は、 腰の曲がったその姿の通り、長寿を願ったものです。腎の働きを高める働きがあります。また、身体を温める作用もあり、寒い季節や冷えのある人、成長期の子供にもお勧めの食材です。中医学では、生命の源であり生命力、生殖能力は「腎」にあるとされています。栄養学的にも、海老の殻に含まれるキチンは、肩こり、不眠、便秘の改善、など生活習慣病や老化の予防効果あると言われ、薬膳でも「長寿」の食材です。

■ 昆布    効能・・・消痰・軟堅・行水・消腫     帰経・・・肝・胃・腎

昆布は、「喜ぶ」にかけた縁起物として使われますが、薬膳の効能としては、しこりを小さくする働きがあると言われています。体内の脂肪代謝を調整する作用、体液の流れを良くしながら体外へ排出する働きから、むくみのほか高血圧/動脈硬化予防に効果があるとされています。また、栄養学的には、食物の中でも最もヨウ素の含有量が多く甲状腺機能低下症の改善や癌予防の効果が期待されていますが、食べ過ぎには注意。

■ 栗    効能・・・補脾・止瀉・補腎強筋・活血・止血   帰経・・・脾・胃・腎

 その黄金色の様子から、お金にかけた縁起物として栗きんとんとして使われますが、薬膳の効能では、脾の働きを助け、気を増す作用がある栗。血の巡りをよくして、身体を元気にしてくれる食材、老人性の腰痛や筋肉の衰えにも効果があるといわれ、下痢や出血を止め、腎機能を高め、骨や筋肉を強くする働きがあります。また、栄養学では、渋皮に含まれるタンニンは強い抗酸化作用があり老化防止の他に、抗ガン作用も期待されています。


作州薬膳

四季の移り変わりを肌で感じられる美しい作州で 先人が伝えた食文化と薬膳の知識を地元の食材を使って 身体が喜ぶ食を提案する為、作州薬膳を始めました。 薬膳の知識を身につけることで自分だけでなく家族も健康にすることが出来ます。 小人数の料理教室なので一人一人の目的に合わせて指導が可能。 家庭でのアレンジもお任せ下さい。

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